「モンスター」 東野圭吾
なんとなくではあるけど、おもしろかった。
500ページ近い大作で、
「整形しても別人の顔になっても、別人格にはなれない」
「男は結局、女の容姿(セックスアピール)に惹かれる」
が描かれる。
絶世の醜さで生まれてきて、呪いのように「美」を求め始める主人公の女性は、これでもか、と整形を繰り返す様はあっぱれで、そこからの描写は、面白いように軽快だ。
まずは二重まぶたの埋没法、次に鼻、インプラントで美しい歯を手に入れ、さらに目を直し、顎の骨を切り取る大手術(そのために和子は、噛む力が極端に弱ってしまう)……。他にも数え切れないほどの施術をしたおかげで、絶世の美女となる。
その美貌に、世の男たちは次々と虜になる。
しかし未帆は、かつて愛したクラスメイトの英介を忘れられない。やっぱり「英介」に愛されたい。38歳になり、そう願った未帆は大金をつぎ込んで、故郷にレストランを開く。店にやってくる男たちの中に、英介がいることを信じて。