Friday, June 01, 2018

読書感想「ブルーもしくはブルー」



「ブルーもしくはブルー」



ドッペルゲンガーのお話。



自分と同じ人物がどこかにいて、偶然その自分に出会い、2人で何かを(夫のいる家にそれぞれ入れ替わる)実行するというストーリーで、女性ならでのドロドロとした悪意の中にも女性の細やかな心理が全体に流れている。


ひたすら愛というものに疑問を投げかけ、
そのテーマに投げかける疑問は半端じゃなく、懐疑的で、深く頷くこと然り。



このドッペルゲンガー、自分の身に起こったらどうだろう?



私たちは見たいものしか見ていない。

比喩的にだけでなく、文字通りにも、生理学的にもだ。各自の認知能力は、目的を果たすために調節されている。



誰もが倫理と意味を求める本能を持ってこの世に生まれてくるのだけれど、
人間は何か少しでも理解できるのかどうかさえ、私は疑問だ。

世界は、私たちが考えているようには存在していないのではないかとも思う。


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