Thursday, June 30, 2016

A mode of greeting expression in Japanese.




日本語で独特の挨拶文としての言い回しに、

「いつもお世話になっております」

「よろしく御願いいたします」

がある。


2文とも個人的にはあまり好きではないのだが、日本人の間の常識文句として、礼儀正しく見せるためには、使用せざるえないのは言うまでもない。

 


まあ「よろしく御願いします」は結構便利なので、(言った方が勝ち!みたいな)好きではなくともメールの最期ではきっちりと言ってしまっている。



本来「よろしく御願いします」の「御願いする」は、「〜を」という目的語を伴うらしい。

「〜のために〜をよろしく御願いします」と。


それがいまでは、特別の意味を持たない定型文として、差し障りのない、やたらと使われる社交の言葉になってしまった。


お願いする事が明確でなくとも、それはおかしなことではないものとして使われているのだ。

 

 

個人的に「いつもお世話になっております」の方はまず使わない。

あえて使いたくない。

メール導入も「いつもお世話になっております」紋切り型なしだ 

 

そんなお世話もした覚えもない仲で、めったに一緒しない人から「いつも大変お世話になっております」なんて書かれると「何だ?」と思ってしまう。


言われたこちら側は律儀に返さない。


かなりの信念だ。

 

 

 

Sunday, June 26, 2016

"Discontinuous world" book review.






「月の裏側」の主人公と同じなんて知らないで読みはじめた。

このストーリーの感じが好きな人は「月の裏側」とセットで読む事を勧めているようだ。



私にとっては、不思議な感じに独特な雰囲気と、共にすっきりとしない結末がこれでもかと続くのでアキが来るかな。



シュールな描写、ホラーと言うほど怖くない、一応ミステリーでもあるけれど、輪が閉じ切れてない、ふわんと地に足が付かない印象なので煮え切らない読後感。



「蜃気楼のような主人公の心が作り出した幻の旅」という言葉がしっくりくる。



もうしばらくは恩田さんはひかえよう、というのが率直な感想でした。

Saturday, June 18, 2016

Termite Life Cycle & Behaviour (2)

生活上で接触する虫は好きではないが、生態学的方面から虫についての情報を読む事はとっても好きだ。

あんな短い寿命も、小さい生命体が作る複雑な社会性は本当に感動さえしてしまう。


*写真は飛び交う羽アリ。




成虫になったシロアリの生殖虫は、羽アリとなって時期が来ると雌雄が巣から飛び出してくる。俗に言うハネムーン飛行だ。
でもこの羽アリ、飛行後間もなく根元で切れて脱落してしまうのだ。

羽アリの羽は細長くて柔らかく、4枚がほぼ同じ大きさをしている。なので、朝になってドアをを開けると、地上に散乱している胴体と羽が別々になった死骸にギョッとするのだが、掃いても、羽が軽いもんだからフワフワと始末にならない。
掃かなくてもすぐにアリや鳥たちが死骸を運んで行ってくれる。その時間とても素早くて、数時間でなくなる。

あんな何百万といる大群から、ラッキーな数匹のみが群飛後地上に降り、雌雄がペアになって巣作りを始める。

雌雄は女王、王となり、ずっと交尾、産卵を繰り返すらしい。そして生まれた子供は親と同じ姿で、ある程度成長すれば職蟻として、王、女王を助けていく。職蟻も成長するといろいろな階級わけがある。


アリや蜂とはまるっきり異なった種類、という点も調べていて初めて知った。

あんなに似ているのに。


シロアリはどちらかというと、ゴキブリ種に近いらしいのだ。(ゲッ!)


Termite Life Cycle & Behaviour (1)

KEPYOK一帯の地域はむかしからゴム農園で、ゴム農園の地域というのは特にシロアリが多いらしい。

田舎道を通ると、結構な大きさの蟻塚がいくつもある。

 醜いといって、みんなわざわざそれを壊したりはしない。

ここでは野生の木が超スピードで成長するので場所的に邪魔な樹は切らなければいけないのだが、そんな場合も地面からきれいに取ってしまうのではなく、かなりの背丈を残す。

そこにシロアリたちが塚を作り始めた方が、他の場所に迷惑に付かれなくて済むからだ。


 大きな蟻塚は、華人が奉って御祈りをするとも聞く。







アリ塚は土や自身の排泄物などでできていて、一つのアリ塚には数百万匹も棲んでいる。塚の壁は厚さ15㎝に達するものもあり、高温や乾燥から、中のシロアリを守ってくれているそうだ。









さて、年に5-6回、羽アリの異常発生というか巣から一斉に飛び出す時期(または人間に巣を邪魔された?)があり大体が夜中に発生するのだが、


それが今日は午前11時半くらいにどこからともなく発生!

外は物凄い羽アリで溢れ、急いでドアを閉めて回る。

とりあえず数時間収まるのを待つしかない。



到着予定のお客さんには事情を説明して到着を若干遅らせてもらった。


さあ、掃除がまた大変!





---シロアリの生態についてはまた次のブログにて。




Thursday, June 16, 2016

"At the back of the moon" book review.






まあなんとなしにスラスラとは読んでしまったけど、途中から収集がつかなくなってあまり感心する発想がなかったような感じを受けた。


ストーリー内には日本的な情緒が少しあるものの
後半は惰性で書いた、そんな印象の残念な作品だった。


面白く無くはないのだけれど、不十分で不満が残ってしまうとも言うべきか。。。





要約すると、
人間が水様の「何か」に乗っ取られて (何か大きなひとつのものの意識に取り込まれ) 個々の人格はそのままではあるけれど、どこか無意識の中で、同じ乗っ取られた他者と繋がっている。元の記憶や人格をしっかりとそのまま持っていて、中身も同じ人格のままという設定だ。


そこで主人公とそれを取り巻く人達が、「他者と異なる「個」でありたいと願う反面、「共同体」として「ひとつ」になりたい」という相反する生物的願望が書かれている。


とはいえ、「ひとつ」になった人達は、それまでの本当の人間だった時の人格をしっかりと持ったままなので大きな変化はない。極端なことを言えば、私は脳の中身が私のまんま、
見た目も私のままで、健康状態も良好なまま。




本当に起こったらともかく、小説として読むには、このくらいの変化や害もないのは、ちっとも怖くない。


生物学的には、たぶん人間ではないものになっているみたいなんだけど、「何故そのような変化が必要なのか」についても謎。
「何のために」という目的も、「人間全員が乗っ取られた後何かが起こる」という結果もオチもなにもない。



それでも何故か読み出したら止まらないというのは、ゆっくりとした雰囲気で、柔らかい文体、結局のところ文体が上手いのだろうか。