多様性の乏しい日本についての一つ、ホテル。
私達は、たまに日本に一時期帰国すると、子供夫婦の家にちょっと、親のうちにちょっと、ホテルにちょっと、と分けて滞在する。
せいぜい寝られればいいと思っているので、私たちのホテルは、アパホテルでもビジネスホテルでもいいし、たまにほんのちょっと奮発して、まあまあのホテルにする場合もあったりして、まあ言うなれば庶民のレジャーレベル程度だ。
自分とは関係なくても、ホテルを予約する際にいつも感じることは、グローバルスタンダードな高級ホテルって日本は非常に少ないな、という事実だ。
日本には今沢山の外国人観光客が押し寄せている。
節約組のバックパッカーから、マジョリティーがまあまあ普通の一般庶民ランク層の観光客だろう。
日本は一昔前のようになんでも高い、という高嶺の花ではなくなって、ショッピングと食事目当てでやってくる近隣諸国のツアー客もとても多い。
一般人が楽しむレジャーという位置づけしかなくて、おカネを使うことに抵抗がない富豪観光客たちが気兼ねなく楽しめる&滞在できるホテルは超少ない。
「一流」と言われる旅館スタイルは非常に独特で、インターナショナル的高級ランクに位置ずけするのは難しい。
アッパー裕福層は、日本のすばらしい文化やおもてなしなどだけで日本旅行が満足するというわけではない。
彼らは心地よく旅行をしたい最低基準というもがあり、その部分への要求にも応えてあげなければ、特に他に希望レベルの宿泊場所が見つからなかったら、日本旅行そのものも「じゃあやめようか」ということになるのだ。
今後も、さらにもっともっと国民人口が減少して高齢社会になるのは避けられないのだから、外国人観光客も対象とした観光戦略を打ち出し「産業」として発展させていかざる得ないと思う。
それには庶民レジャー的な観光の他に「多様性」が必要だという事実を受け入れることが必要になっている。