Monday, April 02, 2018

Each of us only gets to make this journey once.






お客さんがチェックアウトするのでお見送りをするとき、
「ここはいつからあるの?」とお客さんから聞かれる時がよくある。

つい最近までの感覚では、1年よ、2年よ、それが3年くらいかな、となり、今では「5年よ」という答えを返すようになった。

はじめに13年という答えの時は、お客さんの反応は「まだ新しいんだね」だったのが、昨日のお客さんは初めて「もうそんなにたっているんだー」と言う人と「まだ新しいんだね」と言う人半々に分かれた。


「もうそんなにたっているんだー」という 答えを聞いたとき、純粋に、新鮮にビビッときた。

ああ、もうあたらしい部類ではなくなったんだよな。

それが1年さらに1年たつうちに「もうそんなにたっているんだー」と言う答えの割合が逆転していくということだ。


5年と言う年月は本当に短い。
そういえば、ここのが建つきっかけになった、思わぬ事で別れ別れになってしまった人にも恩返しをまだしていない。



2人して人生初めての試みをし始めて、とにかくできるものなのか、とにかく出来る事だけをしていこう、と言う事で必死の13年はあっという間で、楽しくもあり、ちょっと大変なときもあった。
それからも時が流れるのはさらに早かった。



当初は3-5年で感じがつかめるのだ、と自分に言い聞かしていたのがもう5年たってしまったのだ。

周りの景色も熟成してずいぶん変化した。

昨年あたりから、補修理が一段と増えた。
色々な場所が痛んでくるのはこの環境においては避けられない事で、それについては前々から承知していたものの、実際こうなってみると、結構頭が痛いのも事実だ。
こういった大規模でないプライベートな個人の宿は、メンテナンスの困難さを筆頭に、人出不足や個々の事情で5年くらいでたたんでいく場所も多い。



「まだ新しい」が「もう長い」、か。



誰も知らなかった場所が、日に日に人に知れ渡って行く不思議さ。

人生は短いけど、自分の名前が残らなくても別にいいけど、こうして自分達の作ったものや、関わってきたものが、これからもずっと長い事、これまでのようにお客さんに楽しい時を与えることができ、心に触れられているという事を想像してみた。

自分達がいなくなった後、私たちの子供達がどうにか片手間でもいいから引き継いで、または他の誰かでもいいから引き継いで、その人達が、ずっと先の時代も「あーでもない、こーでもない」と修理を重ねていく姿を遠い目をして想像するのは結構愉快だ。

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