「旅と雑貨とデザインとセンスがつながるくらし方」
友人である立体造形家、森井ユカさんの著作だ。
ユカさんには、 いつも会う時にご自分の本をプレゼントしていただき、とてもとても恐縮してしまう。
今回も、日本でお会いして、この最新本「旅と雑貨とデザインとセンスがつながるくらし方」をありがたく頂戴した。
昔は、本というのは自分が読んで、その内容が自分の頭の中で咀嚼され、感性とともに心の中に入ってしまったら、それが自分の血となり、それで終わりというか、あまり本というフィジカルな部分にはこだわらない方だった。
でも、最近は目のつけどころに変化が訪れた。
「その本がいかなる思いでつくられたか」というコンセプトや作り手の思い入れ、そこから見えるアウトプットのクオリティーさ、というものにも重点をおくようになってきた。
なので、この本は一言で言うと、「とってもすてきな本だ」
もちろんセンスが良いのはもともとなのだけれど、ユカさんの愛や思いがぎっしり詰まった一冊だ。
そして、本当にすばらしいデザインの中に文章とフォトがぎっしりと収められている。
まずは表紙フォトに惹かれる。
麻雀の金太郎飴に、そうかー、このぬいぐるみのカラーコンビネーションはそういう理由があったのね。と楽しくなる。
ページをめくると、はじめに挿入された黄色い三角形のデザインが施された2パージがまず素敵。
心地よい、生活に根付いた雑貨を思い起こさせるような、懐かしいようなペーパーの質感。
この部分にはどのような思い入れがあったのだろうと、想像するだけでドキドキ。
そして、かわいらしいマッピング、カラーフォントの入れ具合、ここを見るだけでワクワクするような凝ったコンテンツ。
ページ端にあるさりげない薄いバーコード。
各エピソードごと仕切られた、付箋のようなカラー。
かわいらしい写真。
自分だけの目では、その良さに気がつかず素通りしてしまうようなセンスの良い雑貨達。
あまり言い過ぎると、ネタバレとかになっちゃいそうなので、ここでぐっと止めておこう。。。
それにしても搭乗ポイント修行は知らなかったな!
雑貨コレクターでもあり、そして旅の先輩として、精力的に世界を飛び回っているユカさん。
ちょうどいただいた時が、東南アジアから日本へ一時帰国、そしてヨーロッパに長期で旅をする途中だったので、フライトに関する事、それぞれのお国の雑貨や食事、と実質臨場感を持って楽しませていただいた。
チャンスがなくて行けなかった所、本を読んでから気がついて今度行きたなあと思った所も多い。
そして私の旅はまだ続いている。
もちろん本には終わりがあるというのは当たり前なのだけれど、このままずっと終わらないで、ユカさんの世界にひたっていたいと願う締めだった。
ユカさん、これからもいろいろな世界を見せてくださいね。