Monday, June 06, 2016

"Golden slumber" book review.



 

 

伊坂幸太郎の本は2000年の「オーデュポンの祈り」からこの年出版まで、半分以上は読んできたが、今回は2007年刊行の「ゴールデンスランバー」を読んでみた。

 

 

伊坂作品は陽気なサスペンス物が多く、これも結構なサスペンスで悲壮感のない、それでいてちょっと重い内容だった。

 

 

首相暗殺の濡れ衣をきせられて、逃亡する主人公。

見えない真実と、何が正しくて何が間違っているのかも実は全然わからない一般国民。煽るマスコミ。

国家権力は本当に誠実といえるのか。国や政治家は本当に信用出来るものなのか?

権力者や他人の思想を鵜呑みにせず、自らの意志と意見を持って行動すべし」という事を教えてくれる。

 

 

 

伊坂作品が魅力的なのは、佇まい、引き込まれる文体もそうだが、影ながらも脇役のキャラもしっかりと書き込まれていること。

そして、年代順に読んでいくと、違う作品で同じ脇キャラが出てくるらしい。私はまだ気がついていないが。。。

 

 

先品によっては比較的重い内容もあるので、さらっと面白く読める陽気なサスペンス「死神の精度」「陽気なギャングが地球をまわす」あたりがおすすめ。


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