Tuesday, December 22, 2009

District 9




District 9 ★★★★☆☆

 帰る術がなくなってしい、難民キャンプに住まわせられるエイリアンは地球人に対し下手で、これまでのエイリアン映画とはちょっとちがうストーリー性が新鮮だった。

 物語はドキュメンタリースタイルで始まる。UFOが1980年代に南アフリカのヨハネスブルグ上空に出現し、それ以来その宇宙船は20年間ずっとそこに停滞してしまっている。
宇宙船の中で不健康なエイリアン達を発見した人間は外に連れ出し、難民キャンプに住まわせる。
ヨハネスブルグの住民達はそんなエイリアンに不快感を隠しきれない。
なぜなら、彼らは住民の税金を使って生活しており、難民キャンプはスラム街の様な悪の巣窟と化してしまっているからだ。
9地区(ディストリクト9)と呼ばれる難民キャンプから10地区へ移動させられるエイリアンは人間よりも遥かに力も強く、知能も高いのだが、彼らは地球にいる間は人類の言いなりになるしかなく、肩身の狭い思いをしながら汚いキャンプで生活している。
はじめは彼らは乱暴で礼儀を知らない生物であるかの様に映るのだが、物語が進むにつれ、彼らに好意を抱く様な展開になっており、そんなエイリアンに対し人間は勝手に人間の名を与えたり、彼らに対し生物実験や破壊兵器の実験を繰り返している様が描かれ、人間の偽善的な姿が逆に露呈されてゆく。
だんだんエイリアン化してしまうがゆえ、生物実験から逃れる努力を続ける主人公が新妻と会えなくなるのだが時々の電話のやりとりのシーンはとても切ない。
そして軍の攻撃に対抗する姿に人類とエイリアンとの友情を感じずにはいられない。最後の方に進むに連れて爆発やロボットの攻撃シーンが多くなっていくので、ちょっと雰囲気が変わるというか、私は今トランスフォーマーをみているのではないか?と錯覚。。。
本作はアフリカで生まれ育ったブロムカンプ監督の体験が基になっているらしい。なるほど、エイリアンを登場させたものの、社会的問題を多く抱えているアフリカの現状を色濃く映し出している。
 

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