Monday, December 21, 2009

Up!




邦題は「カールじいさんの空飛ぶ家」。(この長いタイトルを聞いた子供たちは驚いた)

Up! ★★★★☆☆


マレーシアの道路に立つ巨大広告にあった男の子のキャラ〔ラッセル〕を見ていて、第一印象かわいくなかったのであまり興味がわかなかった。
でも「見てよかった」と心に響く映画。アニメ映画ではあるのだけれど、いつの日かの自分、あるいは今の自分とカールとの共通点を重ね、人生を経験してきた大人こそが感動してしまう作品なのだ。
 映像もカラフルですばらしく綺麗だった。初めから最後まで見える圧倒されそうに迫ってくるバルーン、幻のトリのスナイプ、不思議な首輪をした犬、南アメリカのジャングル、まるで、嬉、悲、感動の人生はカラフルとでもいっているように・・・。

見どころの1つが、いきなり始まりのカールじいさんの追憶シーン。
子ども時代のカールがお転婆だったエリーと出会い、一緒に遊び、一緒に大人になり、一緒に年をとっていく物語が、セリフもほとんどないまま綴られていく。
たったこれだけのシーンで、人と出会う喜び、一緒にいられる幸せ、辛いことも一緒に乗り切り、楽しいことを共有してきたカールの人生のすべてが語られていくのだ。
そこにはいつも、愛するエリーがいたのだ、と。
「本作には冒険、あるいは人生も、人それぞれ、というメッセージも込められている」とプロデューサー。
カールは冒険して来なかったことを後悔していたが、最後に気づくのは、彼にとって妻との関係こそ、一番の冒険があったこと。もちろん、見どころは、ほかにもいっぱいある。
カールの冒険には、次々と難題が押し寄せるし、偶然、空飛ぶ家に乗ってしまった少年とのやりとりは、とても微笑ましい。
冒険の地で繰り広げるドラマはハラハラドキドキの連続で、大人も子どもも楽しめるアドベンチャーとなっている。
後味よし。
物語が終わってみると、冒険にはいろいろな種類があり、親子や夫婦の関係も、また冒険なんだ、と感じるのではないか。

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