Monday, January 11, 2010

The Movie  The Cove



The cove  ★★★★★☆

和歌山県太地町でのイルカ漁を隠し撮りしたドキュメンタリー映画で、米動物愛護家リック・オバリー氏率いるスタッフらが、5年間に渡って撮影してきたフィルムをつないだもの。
イルカの残虐な捕獲を隠そうとしている太地に潜入し、様々な方法でそれをあばき、フィルムに収める行動を映画化にした。

とてもよくできている映画だと思った。

 潜水や夜間撮影、難所に登って隠しカメラやマイクを設置したり、DNA解析などのツールも持参(グループメンバーは、それぞれのパートでそれぞれがエキスパート)、一般市民へのインタビューや日本の人々に状況を伝えるためにモニターを持って自ら街頭に立つシーンも、それら1シーン1シーン徹底した活動には感動さえも覚える。

当地の残虐なイルカ殺しはもちろんのこと、撮影をしているとそれに抵抗している日本人や捕鯨国際会議のシーンでのうわっぺらのやりとり、職員のうそ、自らの職を失う覚悟でイルカの肉を給食に出さないよう訴える2人の日本人地方議員などなど・・・撮影時にとった日本人の態度もショックングなものだった。

イルカショー水族館などのイルカがストレスを持っていること自体は知っていたけど、これほどのストレスとは知らなかった事、また国内でおこっている出来事でもいろいろを隠されていて知られざる出来事もおおいのだろうなと思ったこと(この件に限らず),イルカの肉がそれとしてでなく偽肉としてスーパーで売られていることや、人体に危険な水銀が多く含まれていることなども新たな発見だった。
 
 ここでよく触れられるのは、「日本は古くからの鯨・イルカ捕獲の伝統があり継承していく必要がある」という意見だ。
でも、昔オイルの代わりをしていた鯨油も技術の進歩と共にかわり、基本的な生活スタイルも変わった。

「本作では伝統を守ろうとする立場とイルカを保護する側の両極端な考えが交錯する。しかしながら、世界を見た場合、伝統を守りたいという気持ちも、イルカを救いたいという思いも理解したいため、ほとんどの人は極端な意見を持たない。この映画はそのどちらとも言えない人々にとって考える機会を与える映画である」とコメントしている人がいたが、私は、多くの食べ物が溢れているこの世の中、何もどうしても鯨やイルカを食べなきゃ駄目と言う人は少ないだろうし、特別に必要性の無いものだと思う。


「イルカやクジラは知能の高い動物だから保護し、鶏や牛や豚などの家畜類は殺してもOKというのは、都合のいい人間のエゴではないのだろうか?」という意見も聞かれる。でも私は動物の肉を食べたくないと選択しているベジタリアンなので、動物を食べないが、人間は昔からほとんどの地域で、家畜を食べる物として家畜してきた。選択は食料循環の摂理に見れば、なにもわざわざ鯨やイルカ、はたまた猿などはたべなくともよかろう、というもので比較するにはちょっと無理があるように思う。


今、サンウエィラグーンでは、小さな簡易ショーの場所をこしらえて、ドルフィン&あしかショーというものをやっているが、あんな小さな場所でどうやってイルカが動いているのか不思議だ。前だったら行きたがったはずが、映画を見てからというもの今では、イルカを見たいのなら、野生ののびのびとしたイルカだけを見に行こうと心に誓った。あのようなイルカを苦しめているところにお金は払いたくない。

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